F.Chopin、サンドはパリから逃れ、ショパンはパリで最後の演奏会、そして、ついに2月革命。ひとつの時代が終わる。

ルイ=フィリップ1世 
別名ルイ・フィリップ・ドルレアンまたはオルレアン。オルレアン公はフランス人の王になる前の名前。
1773年10月6日-1850年8月26日
フランス パリ (パレ・ロワイヤル)生まれ。
1850年8月26日, イギリス ・ハーシャム クレアモント館で亡くなった。
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……、
ショパンがワルシャワの妹イザベラに母からの毛布のお礼を書いた続の日ことだった。
サンドはモーリスにパリの引き払ったはずのドルレアンのアパルトマンの部屋に侵入し、残っている財産を奪ってくるよう指図してから5日経っていた。
パリで差押えされていた家財道具が消えて管理人が気がつかないわけがなかった。
サンドはモーリスに慌てて書簡をパリに送った。
「ソランジュが元気そうで何よりです。
クレサンジェと会ったり言葉を交わすことは一切避けてください。
ロゼールの処には戻らないでください。」
ソランジュはショパンにはモーリスの悪口を書いて仲違いを装っていたが、ソランジュはモーリスに書簡を送っていたのだ(現存しない)二人は連絡を取り合っていたのだ、モーリスからサンド経由でソランジュはサンドとも連絡を取り合っていた。
ショパンは知りもしなかった。
そして、クレサンジェを無視するようにとは、本当に仲が悪いという理由だけではなさそうだ。ソランジュとモーリスが仲が悪いことを装っているということは、クレサンジェは本当はサンドとモーリスとも仲間なのかもしれないのだ。
サンドはパリの管理人から怪しまれる連絡があったのか、モーリスが、ロゼールを訪ねたことがバレないように、ロゼールにも
会いに戻らないよう、サンドは、モーリスに逐一、行動を指図した。
「ショパンに返すものがあれば、管理人のところへ黙って置いて来るようにしなさい。
もし、ショパンに偶然会った場合、
何事もなかったかのように「ごきげんよう」と言うのだよ。
お元気ですか? それはよかったです」
それだけ言ったら、直ぐにその場を立ち去りなさい。
もちろん、彼があなたを避ける場合は別ですが、同じようにしなさい。
もし彼が私のことを聞いてきたら、心配事のせいで体調を崩したことを伝えなさい。」
アリバイ工作を息子モーリスに指示し、
嘘をショパンに伝えるように書くサンド…
「彼がソランジュのことを話すのを促さないように、言葉を濁さず、かなり鋭く話しさい。
もし彼がソランジュの話をしたら(しないとは思いますが)あなたが立ち入る話しではないと言えばいいでしょう。」
サンドはショパンには我々一家のことは関係ないからソランジュのことに口出しするな、
とモーリス伝えさせようとしていた。
もう、ドルレアンに住んでいないマルリアニ夫人には会いに行って、モーリスの口から、
ショパンのことを、ある事ないを吹聴するように、その4日後に更にモーリスに指示書を送った悪い母親サンドだった。
サンドは裏に回ってショパンを貶め、ショパンの財産をせしめショパンを捨てて、変わろうとしているパリ情勢から自分だけは逃れ、今までの仲間達を乗り換えようとしていたのだった。
一方、ショパンは、この頃、
パリのプレイエル主催での公開リサイタル(1848年2月16日)はプレイエルホールで行われた。
ホールと言っても、当時のプレイエルが住む建物の部屋でショパンの知り合いだけを招いて行われた。
しかしながら、部屋は普通の部屋ではなく、ショパンのリサイタルは、ショパンの気分がいいように優雅で豪華に用意されていた。
これは、「ショパンのパリでのキャリアの終わりを告げるだけでなく、ショパンのフランスの芸術生活における一つのエポックの終わりを告げるものであった。」と言われてい る。
その1週間後のことだった。
やはり、サンドは知っていたのだ。
ついに2月革命が始まった、(2月革命1848年2月22日〜24日)この革命は以前のブルジョワジー(中産階級)を主体とした市民革命から、プロレタリアート(労働者階級いわゆる貧困層)を主体とした革命へと変わり、この革命により、ルイ・フィリップ王が王位を失脚した。ひとつの時代が終わりを迎えた。これにより、地位を剥奪されたルイ・フィリップはパリを追われイギリスへ亡命したのだった。

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Pianist由美子UNO が綴るショパンの情景

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