F・CHOPIN、ショパン、グランドコンサートで生き長らえる
.ショパンのグランドコンサートはド・キュスティヌ侯爵の支援を受け、
お金に困っていたサンドとショパンはこの時、6000フラン(推測)の収入を得てふたりは生き延びたのであった。
コンサートは無事に終わり、パリでアパルトマンで一息ついているところへ、ド・キュスティヌ侯爵からショパンへお礼の便りが届いた。
相変わらずショパンの賛美者であるキュスティヌ侯爵はとても親切で丁寧な感想を便りにしたためているのだ。そこにには、キュスティヌ侯爵とショパンの親密度が伺える。
「ショパン様、あなたは私の別荘であなたと過ごした幸せな日々の記憶を呼び覚ましてくれました。 私はあなたのピアノ演奏を再発見しました。
あなたの演奏は退屈なよくある演奏会ではありませんでした。
あなたの演奏は無意味なピアノという機械の音の羅列でなく、ピアノと言う面倒くさい楽器にもかかわらず、あなたは、音楽にあなたの思想とあなたの魂を見事に表現されました。
ショパンさまは、ピアノを弾くのではなく人間の魂をお弾きになられ、あなたは私に喜びをもたらしてくださいました。
私が初めてあなたを知ったときのように、あなたは私に喜びをもたらしてくれたのでございます。
私が死のうとするとき、あなたは私に命を呼び戻しに、あなたは私のところに来るでしょう。私はあなたがそうすると確信しています!
ポーランドは全体として不幸であるだけです。しかしながら、ポーランドの人々のひとりひとりは、特別な幸運の星を持っています。
あなたの演奏を聴いて私はパリを離れて長い間の旅に行く決心がつきました。
あなたの魅力と優雅さはパリで本物の優雅な音楽愛好家だけを集めて私共を魅了しました。
あなたが見事に厳選した観客と、私自身があなたの演奏に耳を傾けるとき、いつも私は
一人で聴いているような感覚になります。または、私は最高の素晴らしい集まり中であなた
の演奏に浸っているような感覚でいられます…。
そしてあなたの前で私はあえて話はしませんが、私があなたに伝えたいことです。
あなたは私があなたの要求に何でも従うことを知っているので、私のこのおしゃべりを容認
してください。ですから、あなたは私に何でも注文がお出来になります。
あなたが拒絶することは何かというとを私には分かっております。それは、ショパン様が自
分が人々と同等に扱われることを嫌うということです。
そして、あなたが聴衆の鑑賞力をとても低く見積もっていることは、あなたが聴衆をよく観
察しているということを私はあなたのために喜んでいるのでございます。
(コンサートのあくる日の火曜日の朝)」キュスティヌ侯爵よりショパン様へ。
ショパンはこれに対して返事をしかたは不明である。しかし、約1週間後、ショパンは自身の作品である、≪ワルツ作品42≫ ≪演奏会用アレグロ≫ ≪ファンタジー≫の出版に力を注ぎ、
毎回のごとく厄介な出版者との取引も自ら交渉に当たったショパンだった。
ショパンの健康は回復を見せていた。
アストルフ•ド•キュスティヌ侯爵(1790-1857)
キュスティヌ侯爵に関するブログ記事掲載 2019.02.23、 2019.03.08、 2019.04.21、他
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