F.CHOPIN、新しいアパルトマンのプランとハムソーセージを待つショパン

ショパンは、秘書フォンタナから返事をもらい、愛弟子のミューラー嬢からは時々手紙をもらっていた。ミューラー嬢からの手紙の内容は出版社のメフェッテイに送った原稿のことが書いてあった。

ショパンは、フォンタナに校訂を任せていたが、ミューラー嬢とは作曲の分担作業をしていたと推測される。なぜなら、ミューラー嬢はポーランドに居た頃からの弟子で、ショパンはミューラー譲に自分の作曲技法を教えていたからだ。そして、ウィーンでショパンは受け入れてもらえなかった代わりに、ミュラー嬢はショパンの曲を演奏するよにショパンから勧められていたのであろう。ミュラー嬢はウィーンから時々、手紙で様々な報告をショパンに伝えて来たのだ。そのため、リストやダグー・マリーの素行もショパンはお見通しであったのだ。

それから、ショパンはフォンタナに夏のノアンからパリに戻ったときに新しいアパルトマンに引っ越すところをフォンタナに探しておくように頼んであった。

アント二イとロゼールの関係は冷めていたが、それまでのアント二イとロゼールの余計なお喋りのせいでショパンの住んでいたトォロンシェ街には落ち着いて戻れないとショパンは思っていた。

フォンタナはショパンの好みを熟知していた。フォンタナの探してきてくれた物件は、いつもショパンの買い物の使い走りに行かされているパレ・ロワイヤルに近い、プラス・ヴァンドームの豪華なアパルトマンだった。

ショパンは、フォンタナの提案が気に入り、そのアパルトマンの階段や屋根裏にいたる細部について考えを巡らせ、隣人になる人を調べておくようにフォンタナに伝えたのだ。

それから、まだある。

ボローニャのタンブリー二の肉の話だ。

「こないだの頼んだ肉のことだけど、練り肉、ハムソーセージの大きいのを送ってくれたまえ。ノアンに来る交友関係である彼らに振舞う肉だ。

おそらく君が送ってくれた肉は美味しく楽しそうだろうな。

我が古ぼけた台所で僕が作った練り肉を君に送るよ。」

ショパンは賭け事で嵌められて負けたことで、友人に肉を振舞わなければならない羽目になっていた。それをフォンタナにお金を送り、パリからノアンへ肉を送るようフォンタナに頼んだショパンだが、その肉がまだフォンタナから送られて来ないのだった。

それで、ショパンはフォンタナに皮肉まじりに肉の催促をしたのだった。

そして、

「さっきのアパルトマンの部屋の隣の部屋も借りておくように」とフォンタナにショパンは

つぶやいた。

ショパンは、ドイツの出版社への手紙をブルス広場から投函するようにフォンタナに指示していた。

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Pianist由美子UNO が綴るショパンの情景

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