ショパンは1831年1月1日ウィーンに居た。フレデリックはポーランドのワルシャワに居るマトゥシンスキへ書簡を書いていた。それは、ワルシャワに置いてきた最愛の恋人コンスタンツェのことが気がかりだったからだ。
ポーランドは11月蜂起(1830年11月29日 - 1831年10月21日)の最中だった。
「これで、必要なものが揃いました。君は僕の手紙を受け取りましたか?
僕の手記を渡したか?今日、僕はそれを書いたことを後悔している。
僕は一筋の希望を捨てたが、今は闇と絶望しか見えない。
彼女は僕をだまして冗談を言っているのかもしれない。...。たぶん。...
そのような考えが私の心に浮かぶのは、昔の学友である
ロストコフスキー、シュッフ、フレイヤー、キエフスキー、
フーベ、などが私の部屋で楽しそうに話しています。
僕は笑ったりしますが心の中ではこれを書いているときでさえ恐ろしい予感が私を圧迫します。僕には夢のように見えます、精神的混乱の状態です。
僕はあなたと一緒に家にいるような気がします、そして、僕の周りで聞こえるのは、また、
ただの夢。
僕の魂が慣れていないこれらの声は、通りの馬車のうなり声やその他の普通の騒音と同じように、私には何の印象も与えない。君の声やティトゥスだけがこの死に至る無関心状態から僕を目覚めさせてくれるでしょう。
生きることも死ぬことも、君からの手紙がない今日、僕には同じことのように思えます。
両親に、僕は元気で、必要なものはすべて持っていて、素晴らしい時間を過ごしていて、決して一人ではないと伝えてください。彼女が私のことをからかったら、同じことを言ってください。しかし、もし彼女がそうしないのであれば、彼女は心配してはいけないと言い、私もどこにいても落ち込んでいると伝えてください。
体調が悪いのですが、親に知られたくありません。みんながどうしたのか聞いている。
僕は気がめいって風邪をひいています。とにかくあなたは私のどこが悪いのか知っている。
かわいそうな僕の両親!そして、僕の友達は何をしていますか?
なぜ僕はそうなのか、
今日は死ぬほどに孤独で寂しいですか?
どうしてこんなひどい時に僕と一緒にいられないのはなぜですか?
あなたのフルートにはたくさんの嘆き悲しみがありますが、僕のピアノがその悲しみを最初に吐き出します。物事が静かであれば、1か月後にパリに向けて出発するかもしれません。
ここでは娯楽が不足しているわけではありませんが、娯楽をしたいという気持ちはほとんどありません。
僕はウィーンにいます。ここで一番の 「チェロ奏者」 であるメルク氏は、チェロを持って、僕に会いに来こいよ!
今日は新年の初日で、僕はとても憂鬱に始めています!
僕を受け入れてください。
僕があなたを愛しているのは、僕はあなたに何度も書いているそれ以上だからです。
彼女はどこにいますか?。ラドム(ポーランド・マゾフシェ県)ですか?
君は塹壕を掘っている。君は参加すると書く。
どの場所で彼女に僕の手記を渡すことができますか?
誰にも渡さないでください!
恐らく僕の両親が僕のことを悪く思っていることに注意してください。 もう一度僕を抱きしめてくれ! 君は戦争に行く。 その後、大佐に昇進する! なんてことだ、なぜ君と一緒に僕はいられないのか? 僕はなぜ太鼓の少年になれないのですか?
僕は酔っているかのように書いているが、この混乱を許してくれ。 ショパン」
彼女とはコンスタンツェのことで、ショパンはマトゥシンスキに郵便を使わないで彼女に直接手渡しするように頼んでいました。その手紙とはショパンの旅行記のような大切なものであったに違いありません。そして、書いたことを後悔しているのは、恐らくはコンスタンツェへの正直な自分の気持ちを綴った言葉なのかもしれません、ウィーンからパリへ移ろうとしていたショパンはコンスタンツェにもパリに来るように書いたのかもしれない。しかし、ショパンはコンスタンツェには危ない橋を渡ってほしくなかった気持ちもあり、その葛藤の現れだったのかもしれない。そして、ショパンが書いているように当時、ワルシャワの学友が何人かウィーン来ていました。
医師を目指していたフレイヤーもウィーンへ医学の勉強のために来ていました。ショパンはウィーン滞在中に彼に会いに行っていました。
そして、ショパンがティトゥスに語った「あなたのフルートにはたくさんの嘆き悲しみがありますが、僕のピアノがその悲しみを最初に吐き出します。」こんなところにショパンの作曲家魂が現れているのでした。
Pianist由美子UNO が綴るショパンの情景
Pianist由美子UNOの感性が描くショパンの人生の旅のロマン このブログはPianist由美子UNOが全て手作業で行っており ショパンの物語の文章と画像はオリジナルです日々の出来事なども時折り皆様にお届けしております お楽しみいただけましたら幸いです
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